黒柿材 天板指定

3月にご注文いただいた黒柿の時計ケース。

作り直しからやっと納品です。

お待たせしました!

 

 

黒柿材の時計ケースの注文の仕方

数年前にメイプル材の時計ケースを納品させていただいたお客様より

メールでお問い合わせです。

ありがとうございます。

 

 

 

「黒柿材の時計ケースを検討していまして

希少材通信にも登録して、気長に待つつもりでしたが

次回入荷タイミングを待つ以外に方法はありますか?」

 

 

「soldoutのページを見てみると、

お問い合わせください、と記載があったのでご連絡してみました」

とのこと。

ありがとうございます。

 

 

 

黒柿材に限らず、

希少材の時計ケースにつきましては

希少材通信に登録していただいて

気長にお待ちいただければ

いつかご希望の時計ケースとの出会いがある可能性もございます。

 

 

 

 

ただし、「気長」の感覚が難しいです。

3ヶ月、1年なの、5年も、もしかしたら10年……。

 

 

 

はい、そういう事です。

実は製作する立場の私たちでもわからない事なのです。

 

 

 

 

希少材通信でご案内できる時計ケース

 

例えば、黒柿材の場合、

あるお客様がソウルバードに保管してある黒柿の板材から

天板をご指定をされて10本用サイズの時計ケースをご注文いただいたとします。

 

 

 

そこで実際に製作を行ってみると、

一枚の黒柿材から10本用が2ケースできる場合があります。

 

 

 

 

ま、都合よく私たちが望むサイズで

黒柿材がある訳がありませんので

当たり前といえば当たり前です。

 

 

 

 

そんな時に「希少材通信」でご案内ができる時計ケースが

1ケースできた、ということになります。

 

 

 

 

気長に待つか、板材から注文するか

「希少材通信」でご案内できるケースは

既に時計ケース本体は出来上がっていますので、

 

「天板、側板、底板」の全てが

お好みにあうかチェックして購入いただけます。

安心感があるかと思います。

 

 

ただし、お希望の時計ケースとの出会いは

5年、もしかしたら10年…

あるいは、もっとかもしれません。

可能性が未定、というリスクが発生します。

 

 

 

逆に「板材」からご注文いただく場合は

「天板」のみ指定が可能ですので

側板、底板はソウルバードのセンスにお任せとなります。

 

したがいまして

「天板、側板、底板」の全てがお好みにあうか

完成してみないとわからない、というリスクがございます。

 

 

ただし確実に入手できる方法です。

 

 

どちらの方法が合うかは

それぞれのお客様の考え方次第かと思います。

 

 

ご来店!

 

今回お問い合わせのお客様とは

メールで上記のようなやりとりをしていましたが、

 

最終的には

実際にご来店いただく事となりました。

お忙しい中ありがとうございます。

 

 

そこで現物の黒柿材を比較です。

現物をご覧いただくと、

 

 

「なぜこの板材で製作した場合と、あの板材で製作した場合に金額が異なるのか」

がわかりやすいのです。

 

 

黒柿は豊富にある訳ではありませんので

そうなると選択の余地が限られてきます。

 

 

比較していただき

「即決いただきました!」

 

 

いい杢です。

孔雀杢です。

 

 

お客様が選択された天板はこちらです。

黒柿材 天板指定

 

 

当初3本用を予定されていましたが

板のサイズから4本用が製作可能でしたので

サイズアップして御注文いただきました。

御来店ありがとうございました。

 

 

早速製作にはいりますが

ここから3ヶ月程のお時間がかかります。

完成をしばらくお待ちくださいませ..

 

 

 

 

なんと、作り直し!

早速製作を開始してから2ヶ月程経過。

塗装工程直前まで

大変順調に進んでいましたが

ここで

大問題発生です。

 

 

塗装まで完了したけど

 

 

 

「納得いかないのです!」

 

 

何かが違う!

天板と側板の雰囲気がまとまらない!

天板が凄すぎて、側板の杢、色合いのバランスがとれていない!

すべてを整えたはずだったのに….

 

 

完成した時計ケースを眺めながら

数日悩みましたが

この状態では納品ができません。

 

 

「いい時計ケースか」

と聞かれると

 

 

「いい時計ケースです」

とお答えできません。

 

 

作り直し!です。

 

 

もったいないですけど

天板のみ切り外して

一から出直しです。

 

 

お待ちいただいているお客様、

すみません!

 

 

組み直し

 

作り直しの決断をしたからには

すぐ行動です。

 

 

まず慎重に天板の切り外しを行います。

 

 

かなりリスキーです。

でも仕方ありません。

 

 

慎重に慎重に切り外し成功です。

 

 

次は切り外した天板を元に

再び組み直しです。

 

 

再び同じ現象がおきないように

更に慎重に

じっくりと杢のバランスと色合いを検討していきます。

そこから組み上げで

丸々2日の工程です。

 

 

たくさんの時計ケースを製作していますが、

こんな事は初めてです。

勉強になります。

 

 

こんどは完璧

 

そんなこんなで作り直しから約2ヶ月。

組み直した時計ケースの塗装が終了。

 

 

今度は

「完璧!」

「完璧です!」

 

 

やっとです。

 

 

早速、内装の仕上げを行い、お待ちいただいているお客様へご連絡!

 

 

納品!

 

お客様にご連絡をとり再びご来店です。

3月にご注文をいただき、約4ヶ月が経過しています。

 

 

何度か、予定より納期が遅れる可能性がある、とのご連絡は

差し上げておりましたが、詳細な内容なお伝えしていません。

 

 

 

「大丈夫です。時間がかかってOKですので

いいケースに仕上げてください」

 

 

そのお言葉に大変助けられました。

本当にありがとうございます。

 

 

 

確かに納期は大切なのですが、

 

 

 

最も大切なのは

「いい時計ケースに仕上げること」

なのです。

 

 

 

そのためには、納期は2番目になってしまう場合がございます。

ご協力ください。

 

 

今回、納品でご来店いただきましたので

お時間がかかった経緯を、できるだけ詳しくお話しさせていただきました。

 

 

 

結果お客様にも満足いただき無事、オーダー時計ケースの納品できました。

4ヶ月もお待ちいただきありがとございます。

 

 

出来上がったオーダー時計ケースはこんな感じです。

「凄い杢!です」

黒柿材時計ケース 4本用 

 

 

本当に長らくお待ちいただきましたが

お客様のご理解とご協力をいただき

大変貴重な黒柿材を生かす事ができました。

 

 

 

この時計ケースは

今から数百年にわたり生き続けます。

 

 

 

オーダーいただきましたお客様、

引き続き永いおつきあいを

どうぞよろしくお願いします。

本当にお待ちいただきましてありがとうございました。