本日のお客様はT様。
ご来店は初めてですが、
いつもソウルバードのホームページや
ブログを見てくださっているそうです!
ありがとうございま〜す!
本題に入る前に
とある時計ケースのお話。
常連のお客様から、
>「ROLEXの時計ケース」が
>●●オークションや●●カリで販売されているんですよ!
>ガラスにROLEXのマークが大きく入っていて…
????
????
でも、過去に何度も同じような事はあったので
そんなお話は忘れていたところ…
たまたま
とある御人から
現物をお見せいただく機会が!!
>こんなものを手に入れたんですが…
とバックから出てきたのは
あっ!( ゚o゚)
あの時、常連のお客様がおっしゃっていた
「ガラスに大きなROLEXのマーク」が
入った時計ケース。
あれだ!
まず、ちょっと離れたところから
見てみると…
?????
?????
何か、すご〜く、
不思議な雰囲氣を持った時計ケースです。
?????
ミョ〜な違和感が漂っています。
作りは ?
素材は ?
内装は ?
錠前は ?
っと拝見したところ
最初に感じた雰囲気のまま、
違和感のまま、
オモチャ……
っと言うか、
パチモン〜!!
それも、笑ってしまうほど
ワイルドだろ〜~的な
パチモンです!!(*注1)
*注1
「パチモン」とは「嘘っぱち」とか「偽っぱち」等の隠語だと思って使っています。
「コピーもん」は本物に似せるように作られていますが??、
「パチモン」はそもそも コピーどころか、
そんな物は存在しない!!といったランクのお品です。
この手のROLEXさんのパチモンは、
昔からよく流通していますが
店頭で販売されることはないはずです。
ハイ???
そうです、捕まりますから。
まっ、被害にあった方が泣き寝入りするような
数万円という価格で
匿名で取引ができるような
サイトで流通するのが
世の常です。
メーカーさんも
あまりにもこの手の「パチモン」が多く
バカバカしくて
もはや相手にしていない雰囲気ですね。
「Rolexのオーナーさんなら見ればわかりますよね〜」
って感じかもしれません。
皆様も「つかまされない」ように
くれぐれもご注意を。
さてさて、
本題からずれてしまいましたが
本日のご来店のお客様はTさま。
とても「つかまされる」ことは絶対に無い、
「目利き」(*注2)のお客様です。
*注2
目利き(めきき)とは
決してパチモンなどをつかまされることがない
真偽や良否を理解できる人、だと思っています。
気になったのは革素材!
ご来店のTさまには
事前のお問い合わせで
ウォールナット材の時計ケースをご案内していました。
ご来店の際に
ちょうど出来立てホヤホヤが1ケースございましたので
早速ご覧いただきます。
決して希少材ではありませんが、
世界の3大銘木のうちの1樹種です。
そして
仕上がった際の内装の雰囲気は
サンプルでご用意している
時計ケースでご覧いただきます。
??????
T様はジーッとご覧になって、
「この内装に使われているのは何の革ですか?」
なんと樹種の質問より先に
内装の革素材についてのご質問が先でした!
確かに内装の素材は重要です!
ご案内しましょう!
ちなみに、
サンプルの時計ケースに使われていたのは『地中海放牧ラム』です。
さてさて、
下の写真で比較してみてください。
地中海ラム(左)とフランスラム(右)
どちらも特級ラムでハイグレードなのですが
産地が異なります。
どっちがどっち、と言うと
左が地中海産、右がフランス産です。
地中海産は弾力性が少なめで柔らかく感じられます。
フランス産は弾力性があり、少し弾力性が高く感じられます。
産地により
それぞれの個性があり
どっちがいいの??
と言うのは
もうお好みです、
と言うしかありません。
ただし、どちらも特級レザーですので、
自信を持ってオススメできる素材です!
地中海ラム(左)とフランスラム(右)
その他、内装の革素材についてたくさんの質問をいただきました!
ご案内し甲斐があり、こちらもワクワクしてしまいます!
これはかなりこだわりの時計ケースができそうですねっっ!!
木材についても深〜い!
内装に使われる革の魅力をご案内したところで、
いよいよウォールナット材へ!
T様「室温や湿度に気を遣った方がいい木材ですか?」
たいへんマトを得た質問です!
実は木材によっては、お使いいただく
室内の温度や湿度によって風合いが
変わってしまう 気難しいものもございます。
ですが、ウォールナット材はしなやかな材質を持っています!
温度や湿度によって反ってしまったり割れてしまったりが
少なく、扱いやすい木材なのです。
たくさんの方に気軽に使っていただける樹種といえます!
こんなお話をしたところ、
「この材質だと時間が経っても見た目の風合いは変わりませんか?」
………….
かなり答えが難しい質問です。
現代に流通するウォールナット材は植林材が多く
天然の木材と比較すると
風合いなどの変化は少なめかと思います。
ヨーロッパのアンティーク家具によく見られるような風合いには
なりづらい一面を持っています。
と言ってもオイル仕上げですから
オーナー様の育て方によっては
「らしい深い風合い」への経年変化も有りかと思います。
たくさんお話をしている間に
T様は もしかしてアンティーク感が出る時計ケースの方がお好きなのかも…
と感じましたので、
ショーケースからとっておきを
お出ししちゃいます!
(この日のショーケース)
とっておきの時計ケース
ショーケースからとり出したのは
とっておきの時計ケース。
今となっては
大変入手困難な希少価値の高い時計ケースです、
「縞黒檀」です!
30年以上前から
丸太などでの輸入制限がかかり
良質な厚手の縞黒檀は入手困難です。
「あれ!
あのメーカーの時計を買った時
こんな箱に入っていたな〜」
と気づいたお客様!
鋭い!!
でも、ニアピンです!!
らしい重さで作っていますが
貼り物です。
(左の縞黒檀と右のウォールナット)
縞黒檀材であれば、オイルを定期的に塗ってあげることで
後々アンティーク感を楽しむことができます!
変化していく様子が存分に楽しめるので、
一代だけでなく、次の世代にも、
さらにはまた次の世代にも引き継げる!
そんな時計ケースに仕上がります!!
ただ1点気を付けていただきたいのは、
「縞黒檀」は大変硬い木材ですから
納品後、2〜3年ほどの間は
特に乾燥対策をしっかりしていただきたいのです。
極度の乾燥の中では
木材より水分が抜けて
ビミョーに反りが出てしまう恐れがあるのです!
ですので、
湿度が比較的安定している場所か、
加湿器を用意して保管するのがオススメです!!
まるで生きているかのような特徴を持つ「縞黒檀」。
T様も大変興味を示されたご様子。
…実は
この日ご準備できていた「縞黒檀」の
時計ケースはこの1点だけだったのです。
(この日のショーケース2)
次にいつ手に入れられるか分からない…
それくらい入手困難な木材なのです。
とお伝えすると
とても大切そうにお手に取って「縞黒檀」の時計ケースをご覧になっていました。
アンティークロレックス
黒文字盤が魅力的なデイトナを着けていらっしゃたT様、
実はアンティークロレックスもお好みとのこと。
今回お探しの時計ケースも、
アンティークロレックスを保管するためのもの。
だから! だから!
変化が出る材質かどうかを気にかけていらっしゃったのですね!
アンティーク物の特別感は何物にも代え難いものがありますよね。
そしてT様
特段の魅力を感じたご様子で
「縞黒檀」の時計ケースをお選びです!
ありがとうございま〜す。
内装は
とってもハイグレードなフランスラムの黒色で決定です!!
っで
早速、記念撮影してみます。
無い!無い!とはいっても
持ってる人は持ってる
「デイトナ」!
何故????
そしてご注文から
またまた
暫くお時間をいただいて
池袋で製作が進みます
そして
待ちに待った
完成!!です!!
当たり前ですが……
いい出来!!
いい出来!!
っと言うか
すご〜い出来!!
凛とした雰囲気が漂っています。
早速お受け取りでご来店のTさま、
大変喜んでいただけたようです!!
1978年ビンテージのGMTを収納。
良い感じにエイジングされた文字盤です!!
Tさま、またお待ちしていますね。
長〜いことお待ちいただきまして
誠にありがとうござました!!
そしてそして
縞黒檀をよろしくお願いします!!