京都から美術館めぐりで東京へ。
ご夫婦でご来店です。
アンティーク時計
時計ケース選びで
京都から、H様ご夫婦がご来店です。
ありがとうございます。
早速ご要望を聞きすると次のような感じです。
「今回の時計ケースは奥様よりのプレゼント」
「そんなに高額ではない時計ケース」
「時計はアンティーク時計をソコソコ」
ま、「ソコソコ」という事は
結構な本数を所有されている、
という事だと理解しています (笑)
アンティーク、という事は
リューズを含めても50mmより
小さいサイズが多いと思いますので、
『5本用サイズ時計ケースは5本用収納用』
『10本用サイズ時計ケースは10本収納用』
でOKだと思います。
H様、本日されている時計も
サイズが小さめのアンティークのようです。
シャツの袖から、チラッと見える時計が
『何かおしゃれな感じ』
です。
気になります。
そんなに高額ではない時計ケース
「そんなに高額ではない時計ケース」
とのことですので 一応、価格帯が
お財布にやさしい時計ケースからご案内です。
まずはメイプル・オーク材といった
木材に着色し、鏡面仕上げを行なった2樹種、
メイプル材とオーク材です。
↓メイプル材の5本用サイズはこんな感じです。
↓オーク材の10本用サイズケースはこんな感じです。
これらの時計ケースは 着色、鏡面仕上げに
コストがかかっていまして
木材の価値を重視される場合は
お勧めできない、という点をご案内です。
今度は逆に、
ちょっと気合が必要?な価格帯の
時計ケースをご案内です。
ブログでも登場機会の多い
黒柿、ハワイアンコアなどです。
それと、黒檀(コクタン)。
↓黒柿はこんな感じです
↓ハワイアンコアはこんな感じです
↓縞黒檀はこんな感じです
時計ケースサイズや木目により異なりますが
二桁の価格帯の時計ケースになります。
次に、その中間帯の時計ケースです。
樹種的には、
「杢が入ったトチ材」
「ホンジュラスマホガニー材」
「カーリーメイプル材」
「キルテッドメイプル材」
「チーク材」
「ウォールナット材」
「ブビンガ材」
などが考えられます。
こういった中間価格帯のものは
「黒柿」
「黒檀(こくたん)」
「ハワイアンコア」
などの高価格帯のものと比較すると
木材のお値段がお安い、
という事です。
決して、
何か木材に問題があるわけではありませんので、
その点はお間違いがないようお願いいたします。
また
「ウォールナット材は世界の3大銘木なのに
何故安いの?」
という、『もっとも』な質問をいただく事が
多々ございます。
いろんな理由がございますが
ザックリご案内するとしたら次のような
理由からだと 勝手に思っています。
「しなやかさがあり、環境対応に優れている」
(ソリにくいのでリスクが少ない木材)
「加工性に優れる」のでとっつきやすい木材。
つまり、「作りやすい、使いやすい」=「銘木」
ソウルバードでもちょくちょく制作する
ウォールナット材。
その比重は 0.64 ですが
メイプル材は 0.70です。
つまりメイプル材のほうが硬く、
加工は大変、という事になります。
お選びの時計ケース
さてご来店のH様には
この「ウォールナット材」と
「チーク材」で出来上がった
時計ケースを比較いただきました。
H様が気になったのは、
生まれも育ちもミャンマーの
『ミャンマーチーク』です。
油分が多く、水にも強く、耐久性も高いため、
ヨットの内装や、クィーンエリザベス2号、
オリエント急行の列車にも使われてきました。
H様、今回、このミャンマーチーク材の時計ケースをお選びいただきました!
ミャンマーチークの時計ケース
オイル仕上ですので経年変化してく事で
アンティークな雰囲気に変化していくのが
楽しみな時計ケースです。
ディユプイ!
さて、次にレザー選びですが
その時、お客様から
「ディユプイなども使うんですか?」と。
すご〜くお詳しいお客様です。
ソウルバードでは現在ではカーフレザーを
使いませんので このタンナーさんとの
お付き合いはございませんが、
エルメスさんがカーフを素材とする際には
このタンナーさんのレザーを使用されていると思います。
そういえば先ほど、
黒檀材(コクタンザイ)のご案内の時には
紫檀(シタン)材、白檀(ビャクタン)材というご質問も。
かなり唐木材にも詳しいお客様です。
チークをお選びになる際には
「それにしても、建てつけがいい時計ケースですね!」
というご感想が。
実はこの点が非常に重要なポイントなのです。
でもその理由はのちほどに…
レザーは飼育系と放牧系を比較いただき
『放牧ラムのスエードK68 グリーン』に決定です。
ありがとうございます。
早速、先ほどから気になっていたH様の時計と一緒に記念撮影です。
30年代 のジャガー・ルクルトのアンティークとのこと。
かなりおしゃれな時計です。
美術館めぐり
さて今回は京都からのご来店とのことですが
東京の美術館めぐりの合間をみて
ソウルバードにお寄りいただいたようです。
ありがとうございます。
H様ご夫婦は東京の博物館、美術館めぐりに
よくお見えになるようです。
先ほどの
『唐木』や『レザータンナー』などにお詳しい点、
時計ケースの『建てつけ』の良さに気づかれた点も
なんとなく理解ができます。
一般的には、時計ケースの表面上の
塗装の出来栄えで 品質の評価をされるお客様が
多いのですが、 箱物である時計ケースの
最も重要なポイントは その表面的な塗装ではなく、
「建てつけ」
そこなのです!
そこが、もっとも困難な工程であり
技術が必要な重要ポイントなのです。
「見るところを知っているお客様」
つまり、『いいもの』をよくご覧になっている
博学多識のお客様、ということがわかります。
H様ご夫婦は、今回
東京国立近代美術館の展覧会「鏑木清方 」
三井記念美術館の特別展「高麗茶碗」
東京国立博物館の「正倉院の世界」
などが東京にお見えになった目的のようです。
実は「正倉院の世界」、
ソウルバードでも予定していまして
館内の様子をお聞きすると
「この時間帯は混んでいて
この時間帯は比較的大丈夫でした」
と詳細な情報をいただきました!
ありがとうございます。
ソウルバードも近日中に行ってこようと思います。
お目当は
「螺鈿紫檀五絃琵琶」(らでんしたんごげんびわ)
なんという難しい漢字でしょう。
「紫檀」で制作された琵琶を見てみたいのです。
八世紀から保管されてきた紫檀が1200年以上の時を経て
どういう風合に変化したか、大変興味があります。
H様、情報ありがとうございました。
ご注文の時計ケースも気持ちを込めて仕上げまして納品させていただきます。
ご注文誠にありがとうございました。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
完成しましたチーク材!
早速お客様へ発送させていたただき
お客様からお礼のお電話も!
わざわざありがとうございます。
完成した時計ケースはこちらです。
『地中海放牧ラムのグリーン』レザーです。
この度は京都から誠にありがとうございます。
また美術館巡りの際には
よろしくお願いいたします。