時計ケース用のイタリア製LOCKが「斜めっている?!」

斜めっている!
お客様からクレームです。

先日メイプル材ケースを納品させていただいたお客様からクレームのメールです。
「斜めになっているので不良品ではないでしょうか….」

イタリア製LOCK

確かに、斜めっています。
(この画像はお客様から許可をいただきまして使用させていただきました)

お客様も不安に思われている、
と思いましたので
急いでお電話しまして
ご案内差し上げました。

ご心配おかけしてすみません。


「イタリア製だから斜めっている?」

ここで「斜めっている」
について理由を考えてみます。

すぐに思いつくのは

1:イタリア製だから、作りが雑なの?

2:錠前が壊れている?

3:不良品?

確かにどれも考えられる原因です。

先日イタリア車の
『フィアットパンダのエンジンルーム』
を見る機会がございました。

エンジンフード開けてみると…
ちょっと「驚き」です!

まるで
「突貫工事で無理やりエンジンを詰め込んだ」
とも思えるような雰囲気。

実はそうではないのだと思いますが
日本車やドイツ車の
整ったエンジンルームを
「当たり前の基準」
とした目で見た場合、
ざっくり、そう感じてしまうかもしれません。

特に日本製の「当たり前の基準」に
慣れ親しんだ方からみると
左右は均等、前後も均等、
さらに上下も均等、
とお考えになると思います。

つまり、
そういう工業製品を
多くご覧になっているからだと思います。

その日本的な
「当たり前の基準」を
ベースにすると

「均等ではない製品」=「不良品」

という判断になっても不思議ではありませんし
そもそも

「イタリア製」=「つくりが雑」

と印象をお持ちの方も
いらっしゃるかもしれません。

確かに、間違いではないのかも
しれませんが

「だからイタリアは面白い!」

と受け止める方もいらっしゃいます。

それぞれの方が持つ、
「当たり前の基準」によって
いろんな受け止め方がある、
という事だと思います。


ここで「斜めっている理由」

さて、話をLOCKに戻して
ここで斜めっている理由をご説明します。

簡単に一言で申し上げると

「アソビ」

です。

車のアクセル、ブレーキ、
ハンドルに「アソビ」がありますよね。
あれ、です。

ソウルバードの時計ケースは
無垢材で制作しています。
従いまして
春夏秋冬の温度差、
湿度差により
ビミョーにケースに
「ソリ」が発生します。

0.1mmだったりするので
ほどんどのお客様は
気づきませんが…..。

このソリが発生した時に
錠前の跳ね上り部分(稼働部分)が
左右均等に跳ね上がってしまうと
蓋が開かなくなってしまうのです。

そのため、
鍵が閉まっている状態では
左右均等に見えるのですが、
鍵を開ける時は
この稼働部分が
「斜めに跳ね上がり」
開くようになっています。

つまり、
「跳ね上がり」部分に使われる
バネの強さを
「左右で変えている」
という事です。
そのため、
蓋を閉じた状態では
「左右均等」のなのに
蓋を開いた際には
「跳ね上がり部分が斜めってる」
という事になります。

この錠前がついた
時計ケースをお持ちのお客様は
蓋を開いた状態で
跳ね上り部分をさわると
斜めっていて
アソビがあるのが解るかと思います。

このアソビのおかげて、
春夏秋冬の温度差、湿度差が
激しい日本においても
ソウルバードの時計ケースは
蓋の開閉ができる、
という仕組みです。

過去、納品したお客様から
同様のお問い合わせや
クレームがなかったものですので
今まで特に説明は
していませんでしたが
もしかしたら
気になっていたお客様も
いらっしゃるかもしれませんので
ご案内させていただきました。

ご連絡いただきましたお客様、
誠にありがとうございます。



ところで「錠前はなぜイタリア製なの?」

ここでさらにご案内です。

そもそも

「錠前はなぜイタリア製なの?」

これについては
申し上げにくいのですが
日本製の錠前は
「工業製品っぽくてつまらない」
からです。

工業製品が悪い、という事ではなく
ソウルバードが制作する時計ケースは
金型にはめて制作するようなものではなく
手作業で制作する
手工芸品のようなものです。

そこに工業製品的な
錠前を取り付けてしまうと
「つまらない」ものが
出来上がってしまうと
感じてしまいます。

そのため、手工芸品に近い、
イタリアに錠前を作ってもらっています。

この1個1個がビミョーに異なる
いかにもイタリアらしい錠前は
既製品ではなく
ソウルバード用の
特注品となっています。

外からは見えませんが、
下の画像の2本の足は
なんと「人の手でロウ付け」
されています。
こんな時代に!

矢印の部分です。

イタリア製LOCK 足

実はこの部分のみ日本で制作しています。
さすがに、イタリア感覚で
手作業で ロウ付けされると
取り付けがとんでもない事になりそうですので……。

この日本製部分と
イタリア製部分を
合体させて
錠前の「跳ね上がり部分」が
完成しています。

イタリア製LOCK

という事で今回は
「錠前」の「跳ね上がりが斜める理由」を
ご案内させていただきました。

もし、ご来店のお客様で
興味があるお客様には
「現物」の錠前で説明いたします。

「手作業のロウ付け見せて!」

とお申し付けください。