昨年、ソウルバードにて時計ケースをご注文いただいたS様が再びご来店くださいました。
今度は時計トレイをご検討とのこと。
そうそう、時計ケースの納品の際に
今度は時計トレイ!!とお話しになっていたS様。
さて、どんな時計とレイをご案内できるか楽しみです。



ちょっとの帰国の合間

今回ご来店のS様には
昨年こんなカーリーメイプル材を納品させていただきました。

カーリーメイプル10本用時計ケース


そして納品後には
S様からも画像が届きました!!
ありがとうございます。

カーリーメイプル10本用時計ケース

こういった、時計が収納された画像って本当に助かります。
サイズ感もわかりやすく、いろんなサイズの時計ケースを検討されているお客様にとっても
すごく参考になるとお聞きしています。
感謝感謝です。


実はS様、お仕事で
ありとあらゆる国を飛び回っているお客様です。
今回もアメリカから帰国したばかりの、
ちょっとした合間のタイミングでご来店です。
3〜4か月後にはまた海外ということで
お忙しい中、ありがたい限りでございます。



選び抜いた「素材」だからこそ生まれる特別感

ソウルバードでは、
時計ケースを製作した際に発生する多種多様の端材がございまして
こんな感じでストックしています。


端材ですので、長さや厚みがバラバラですので
一見乱雑に入っているように見えてしまう点はご容赦ください。


早速、S様のご希望をお聞きすると
「黒柿材です」っと即答です。
アメリカでお仕事されている時から結構予習されていたのかもしれません。


そういえばソウルバードのお客様には
「南極越冬隊」の隊員の方がいらっしゃるのですが
そのお客様も帰国後すぐに来店されて
「黒柿材」一択で時計ケースと時計トレーを納品させていただきました。
南極からソウルバードのWEBサイトをご覧になっていたのかもしれませんね。


黒柿材といえば言わずと知れた高級木材です。
ただし、一般のご家庭でご覧になる機会はかなり稀だと思います。
正倉院にも黒柿木工品が散見されますが
茶道家、また、かなりのお家柄の方でない限り身近には存在していないと思われます。


そんな黒柿材ですが
淡水での水中乾燥と特殊な乾燥工程が必要で
状態が良い黒柿材は、かなりレアな存在かと思います。


そんない良質な黒柿材は
木目の現れ方によっては
キャッシュよりも価値があるとも言われるドキドキする樹種でもあります。
野暮な表現で申し訳ありません。


「せっかくなので良い物を!!」とおっしゃるS様に
いろんな木目の黒柿材をご案内します。



黒柿材の紋様

黒柿材には様々な紋様(木目)が現れます。
単に木目(モクメ)とう表現では表現しきれないレベルになると杢(モク)とも呼ばれます。


白黒がハッキリした木目の個体から
激しい水墨画のような木目まで存在します。


ソウルバードで販売される黒柿材の時計ケースで
「サイズが同じなのに、何でこんなに価格が違うの???」と感じられたお客様も多いかと思います。


これは、どれくらい丁寧に水中乾燥を経たのか、
そして、どんな「杢」が現れたのか、がポイントになります。


お客様によっては「単調な木目」がお好みの方もいらっしゃれば
「複雑な木目」を好まれるお客様もいらっしゃいます。
その中でも孔雀(クジャク)が羽を広げたような複雑な木目は「孔雀杢(クジャクモク)」と呼ばれ
最も珍重される高級材と考えられます。
ただし、この判断はあくまでプロの感覚であり
お客様によっては「幾何学的な模様で、ちょっと…..」という場合もございます。
ですので「お好みの杢」を優先されるのが良いかと思います。


そして、S様にはこんなトレー材をご紹介してみました。


ある材は木目が複雑でダイナミック、またある材は控えめで静かな美しさを持っています。
さらに、触ったときの質感や滑らかさ、カットしたときの断面のイメージも考慮しながら、慎重に素材を選んでいきます。
いくつもの黒柿材を並べ、S様と一緒に木目の表情や材質の特徴を見極めながら、
これだ!!という特別な一本を選び抜きました。


お選びになったのは
こちら!!

この杢で時計ケースを製作すると
とんでもない価格になってしまいそうなグレードです!!
この画像は素の状態ですので、
製材し研磨した後に塗装を行うと
かなりのグレードの黒柿トレイが出来上がります。
製作が楽しみで〜す。


そして本日されていたGSと一緒に!!

しっとりとした油分を蓄えた質感と絶妙なコントラストの木目が魅力的です。
黒柿はその表情が完成品の個性を決定づけるため、
選定作業には細心の注意を払います。
そして今回の一本も、お客様の手元で新たな命を吹き込まれるのを待っています。
この素材選びのプロセスは、まさに“こだわりの結晶”と“こだわりの体験”そのものです。
選定には目利きが欠かせません。
ただ単に時計を置くだけのトレイではなく
代々と受け継がれることへに、
ためらにのない「時計トレイ」を製作させていただける私たちスタッフも楽しみで仕方ありません。
だの道具ではなく、生活に心地よい贅沢をもたらしてくれることを願っています。

リュックに

いくつもの黒柿材の中から特別な一本を選び抜かれたS様。
ふとリュックを拝見すると、あるアイテムが….。

花梨バール材の木製プレートです。

ご来店納品の際にお渡しする手提げ紙袋用のアクセサリーです。
昨年カーリーメイプルを納品させていただいた際のものだとのことです。
ソウルバードのプレートを大切に使い込まれ、
なんとリュックに取り付けて世界中を飛び回っているいるとのお話です。
私たちの手作業が愛される存在であることに深い喜びを感じました。
感謝感謝です。

S様、誠にありがとうございます!!


それから数ヶ月。
極上の時計トレーが完成です。





極めて希少な 黒柿材 時計トレー

S様のご好意で、
しっかりと製作期間をいただきました!!
完成した時計トレーがこちら!

今回お選びになった黒柿材の木目のレベルが大変高く
かなりハイエンドな時計トレーに仕上がっています。


またまた海外より帰国されたばかりのS様もご来店いただき
恒例の記念撮影です。


内装のレザーは地中海放牧ラムのベージュK133にて仕上げましたので
ホコリも目立たなくて良いかもです。
そして光触媒加工も行いましたので
1日使った時計も綺麗に除菌してくれて一石二鳥です。


これで時計ケースと時計トレーが揃いましたので
一安心かと思いますが、またアイテムが増えた際にも
お声かけていただければと思います。

いつも誠にありがとうございます!!