コア材とマンゴー材

昨年9月につづき、木材買い付けの旅です。
時計ケース制作は
木材探しから始まります。
今回は初入手の材もGetです。

8ヶ月ぶりのハワイです。

昨年9月のハワイアンコア材買い付けの際には
ハリケーンの上陸にヒットし、
結構荒れた天候にも遭遇しましたが
今回の5月のハワイはありがたい事に快晴続きの旅でした。

今回はワイキキショアを拠点に動きまわります。
オンザビーチで唯一のコンドミニアム。
これで2回目の利用となりますが
建設は1960年。

実に約60年前の建物です。
外装は結構くたびれた感じですが
ユニットのオーナーさんが
結構手入れをしていて
室内は比較的、綺麗です。

ただし60年を経過する建物ですので
排水などは、当たり前のように使い勝手の悪さが目立ちます。

それでも、窓からの景色は絶景です!

ホノルル

フォート・デ・ルッシー公園を隔てて
ヒルトンのハワイアンビレッジです。

金曜日のヒルトンの花火もお部屋からこんな感じです。

このユニットのオーナーさんは
駐車場付の物件を5000万程で購入したらしいですが
現在は2億の物件になってしまっているそうです。

やはりオンザビーチで唯一の
コンドミニアム+駐車場
というのは大きいポイントのようです。

今回は結構大きいユニットしか空室がなく
いつもよりお高い宿泊費にになりましたが
レトロ感もあり、私たちには
ちょうどいい ワイキキショアかと感じます。

中古資材屋も偵察です。

ちょくちょくブログでもご紹介していますが、
年々、というか、日々、ハイグレード材の入手が困難になっている
ハワイアンコア材。

元々上質なコア材は少ない中、
地元の大手家具メーカーさん、
世界中の楽器メーカーさんなどが
主に材料としてつかわれています。

そうこうしているうちに
今度は建材メーカーさんなんかも
コアの合板材(ベニア)を探されているところが増えてきたとか。

コア材の合板は元々のコア無垢材を
0.3mm等に薄くスライスしたものを
安価なラワン材等に貼り付けたものです。
(仕組みは金無垢と金メッキの違いと同じです)

建材として使用する分には
合板の内側は見えませんので、これはこれで十分かと思います。

木材の供給元も、
無垢材で販売するより
合板材(ベニア)にして販売したほうが
利益が大きくなる、という仕組みですね。

ただ一旦合板になった材は
その役目を終えた際には
再利用がかなりむずかしく
結果的にゴミとなり、
資源の再利用は難しくなります。

数百年前の柱材等を再加工して
時計ケースを制作する事も多いソウルバードとしては
残念に思うばかりです。

そんな流れもあり
現在までのルートだけでは
供給量が少ない!
という事で
今回は新しいルートの開拓にも挑戦です。

まずは全く方向性を変えて
「中古の建築資材を扱うお店」をチェックです。

場所は再開発が進むカカアコエリア。
昔は工場などが多かったのですが
最近では高層マンションが立ち並び
なんとなくバブリーな雰囲気も漂うエリアです。

そんなカカアコから海岸沿いへむかうとレストラン、
ザ・テラス バイ・ザ・シーがあります。

ここは結構いい金額のレストランらしく
日本からの観光客も結婚式を行うことが多いようです。

しかし、その付近は
ホームレスの人のテントが多数点在しています。
ワイキキの楽しげな雰囲気とは異なり
観光関係の雑誌や日本の報道では
あえて紹介しないエリアでもあります。
実はこれもハワイの現実かと思います。

そんなエリアに目的のお店

「Re-use-hawaii」

があります。

re-use Hawaii

何か楽しそうな雰囲気を感じるロゴですね。

建築資材の廃材などが多く集められています。

「廃材」といっても

その名前のごとく

Re-use可能な物ばかりのようです。

早速中に入ってみると

結構整理整頓されています。

まずは散策してみます。

re-use hawaii

サンプル板に木材名と説明が記載されています。

結構丁寧ではありませんか!

その上、
木材も樹種によって区分けされています。

re-use hawaii

この写真は

マホガニー材!

しかし私たちが欲しい

「ホンジュラス マホガニー」ではなく

「アフリカン マホガニー」です。

名前が似ているので、

「産地が違うだけ!」

と思われるかともしれませんが

全く別材です。

結構ややこしいです。

「●●」という本物と
「●●風」という偽物の違いと同じです。

ソウルバードでは「●●風」は必要ありませんので
これは使えません。

その後も建物内の全てを探し回りましたが

残念ながら私たちが探しているサイズの

ハワイアンコア材はありませんでした。

ただし流石が廃材屋さんです!

フローリング材として使用されていた

幅の小さい無垢のハワイアンコア材は結構な枚数を確認できました。

昔はフローリングにも本当にいいものを使っていたことがわかります。

ここでは私たちが

欲しい材の入手はできませんでしたが

実はアンティークの扉やバスタブ。

日本にはない形状をした金物や

ランプシェードなども多種多様のストックがあり

まるで

中目黒の家具屋通りのお店においてあるようなものも

沢山展示されています。

素材の「木材」というより、そっちのほうが面白いかも?
と感じるお店です。

また次回、お邪魔してみようと思います。

山奥の製材屋

「Re-use-hawaii」で

お目当の材の入手ができなかった私たち。

日を改め、

今度は「製材屋」さんに向かいます。

「製材屋」さんですから

もちろん観光客がいらっしゃるようなエリアではなく
当たり前のように、山奥です。

レンタカーを走らせますが

「こんなとこ、走っていいの?」

と不安に感じてしまうような

悪路をずっと登り続けます。

それにしても

「結構、山奥です」

最近はgoogle先生(map)が活躍してくれますが

もし、「紙の地図」だったら

たどり着く自信がありません。

進めば進むほど
「ここまで来ていいの?」
と不安に感じてしまうエリアでもあります。

それから数分後、

google先生が

「目的地に到着しました」

とアナウンス。

やっと「到着です!」

「入っていいの?」

と感じてしまう入り口ですが

そこは製材屋さん。

乾燥中の丸太が出迎えてくれます。

いざ中に入ってみると
建物の外の雰囲気とは異なり、
激しく整理整頓されています。

更に、
一枚一枚の材に値段のシールが貼られて
展示してあります。

とても山奥とは思えない雰囲気です。

いい仕事をしている雰囲気がひしひしと伝わってきます。

ありましたコア材!


コアウッド

テーブル用にもなる2mほどのコア、モンキーポッドの
ビックサイズも!

モンキーポッド材

結構楽しめる製材屋さんです。

今回はここで
あーでもない、
こーでもないとチェックをし
様々の樹種の仕入れを行いました!

その中には「マンゴー材」も!

「マンゴー?」

と思われると思いますが、
あの「食べるマンゴー」の木です。

ほとんどの部分は
つまらない杢なのですが
中にはキラキラと
美しい杢が現れる日本のトチ材のような雰囲気の材もあり
今回、入手ができました!

初のマンゴー材。
時計ケースに仕上げるのが楽しみな樹種です。

山奥の製材屋さん、
ありがとうございます!
またお邪魔しますね。

ちなみに
山奥すぎて、
トイレは
こんな感じの仮設トイレでした。

「ロコモコ風」

「製材屋」さんで無事に木材の仕入れを終えた私たちは
ちょっとだけのバカンスを経て帰国の途へ。

今回も往復はハワイアン航空さん。
羽田発着便ですので、本当に楽で助かっています。

帰国便の機内では時差ボケしないように
いつも「映画」に集中です。
日本で映画を見る事が
ほぼありませんので
この時間は結構ポイントなのです。

うまくすると4本見れますので
いつも楽しみにしています。

ハワイアン航空さんありがとうございます。

それにして例の
「食品サンプル」のような謎の「ロコモコ風」機内食。

最近では、
その盛り付けの「大胆さ」や
「彩のなさ」をギャグのようにも感じるようになってきて
楽しむ事ができるようになってきました。

お味は
いつかは慣れる時はくると思うのですが….

受注タイミング

帰国した私たちは
翌日より通常営業に入りましたが
今回仕入れを行なった材は
成田の通関を経て早速到着です。

コアウッドとマンゴーウッド

白っぽいのが
「マンゴー材」です。

結構綺麗で面白い時計ケースに仕上がりそうです。
早速、含水率をチェックしましたが
ほぼ10パーセントなので
すぐに制作にかかれる材です。

ハワイアンコアも
ハイグレードですが
含水率は15パーセントほど。
約1〜2年ほどはシーズニングが必要な感じです。

どちらも池袋にお越しのお客様には
現物をご覧いただく事ができますので
興味があるお客様は
ご遠慮なくお申し付けください。

ハワイ木材買い付けの期間中、
様々なお問い合わせをいただいておりまして
順次、ご案内させていただきます。

いつもありがとうございます。