★2025年1月14日追記しました
千葉県からご来店の I 様。
「ドレスウォッチ1本を平置で収納できる時計ケース」をお探しのとのこと。
特にアンティークの時計の場合、収納される時計に見合った時計ケースを探すのは至難の技です。
さてさてどんなご提案ができるか…
ガンガン使っていくようなケース
ご来店誠にありがとうございま〜す。
早速ご希望をお聞きすると
「そうですね。
イメージ的は珍重させて楽しむケースというよりも、
ガンガン使っていくようなケースにしたいと思っていて。
伸ばして収納する本数は1本で、ツヤがある仕上げではなく、オイル仕上げで、
傷が入っても気にしないぐらいのお付き合いができるケースの方が楽しいかなと思って、
そんなものをイメージしてるんです。」
と結構具体的なご要望です。
ここまでご希望が明確だとご案内も的が絞れて大変助かります!!
使っていくうちにたんだんと経年変化が楽しめるオイル仕上ですが、
どんな樹種でもOK!! っという訳ではありません。
比較的お手頃な樹種ですとオーク材系ですね。
ベージュ系の色合いの樹種ですがオイル仕上げでもナチュラルな雰囲気に仕上がります。

引き出し付き オーク オイル仕上げ 高級時計ケース
また、日本でよくお目にかかるのは
The 「ウォールナット」ですね!!
家具屋さんでもよく素材として使われますが
日本の木材にはないモダンな雰囲気の
ダーク系の色合いは結構人気があります。
この「ウォールナット」は仕入れも比較的しやすく
加工もしやすく、大変重宝する樹種でもあります。
時計ケースとして完成するとこんな感じになります。

ブラックウォールナット材 高級時計ケースの受注製作
引き出し付きですと

引き出し付き ウォールナット材 時計ケース
この「ウォールナット」ですが
北米品種とヨーロッパ品種を接ぎ木した
「クロラウォールナット」と呼ばれる品種もございます。
この「クロラウォールナット」になると
木目にも随分と複雑さが現れ、
普通の「ウォールナット」と比較すると高額な樹種になっていきます。
こんな雰囲気です。

あとはとローズウッド系になります。
このローズウッド系になると
the「本物!!」感が漂い出します。
水に浮かないような比重で
ピアノの黒鍵や
弦楽器の指板やブリッジなんかに使われる材でもあります。
つまり、激しくテンションがかかっても大丈夫!!
数百年使っても大丈夫!!
っという素材ですね。
ですが イナバ物置さんのように
「100人乗っても大丈夫!!」とはいきませんから。
例をあげると
「黒檀(コクタン)」、「縞黒檀(シマコクタン)」、
「ホンジュラスローズ」「アマゾンローズ」等々、
その産地により「〇〇ローズ」という名前で呼ばれる樹種たちです。
既にワシントン条約により輸出入の規制がかかっていて
結構気合いの入る金額です。
でもでも、その品質を考えると
まだまだ「コスパが良い樹種だ!」と思っています。
例えば縞黒檀材の素材の状態はこんな感じです。

これをオイル仕上げにした場合はこんな感じ。

縞黒檀(シマコクタン) オイル仕上げ 高級時計ケースの受注製作。「5本用」「3本用」
画像ではわかりづらいんですが
ローズウッド特有の控え目な木肌の美しさが堪能いただけます。
そして鏡面仕上げにした場合はこんな感じ。
縞黒檀材5本用 鏡面仕上げ 時計ケース

縞黒檀(シマコクタン) 高級時計ケースの受注製作。「5本用」「3本用」
あの有名時計メーカーさんの!!
と思った方も多いと思いますが
あれは無垢材ではなく、◉◉です。
ご予算とのバランス
I 様も、
「このローズウッドクラスを代々使ってたら素敵ですね。」
とおっしゃっていますが
とは言ってもご予算との兼ね合いも大切です。
すごく高額な時計ケースを買って
生活が大変になっても悲しくなりますし、
かといって、
結構妥協しすぎて不本意なものを買っても
気持ちが良くないのも困ります。
ずっと近くにあるものですから。
なんでもバランスが大切です。
I 様のご希望はオイル仕上げ。
でもウオールナットだと、、、ちょっと普通かも……。
とは言ってもローズ系だと、、、.本物すぎるし……高いし…..。
と悩まれていたとこと
ショーケースには
鏡面仕上げで完成した3つの個体が…..

このうち2つは、よくこのブログにも度々登場する黒柿材で
もう1つは、トチ材なんですが、スポルテッドと呼ばれる
不思議な木目が入った個体です。
これもかなり珍しい時計ケースです。
この3点は
レギュラーサイズの5本用サイズケースを製作した際に発生した
「端材(ハザイ)」で製作したものです。
端材を目一杯使って製作した個体ですので
3点とも「高さ」「奥行」「長さ」が異なります。
そのため
レギュラーな製作!と比較すると、
黒柿なのに???
っと、
かなり「お手頃」な価格設定になっている時計ケースです。
ご来店のタイミングによって
有ったり無かったりですが
この手の個体と出会った時は「一期一会」です。
I 様も、当初の予定とは異なりますが
特に黒柿材には大いに魅力を感じられているご様子です。
先にレザーとの組み合わせ
3点とも、それぞれの個性があって
悩ましい!!って感じです。
I 様はその中の黒柿が気になられたようです。
そこで順番は逆になってしまいますが
まずは時計とレザーの組み合わせのバランスからチェックしてみます。
実は I 様、色々お話しをお聞きしていると
ビンテージのアイリッシュリネンやレザーにかなり造詣が深いお客様です。
時計もクレドールのゴールドフェザーですね!!

産地はもちろん飼育系か放牧系、発色や毛並みを丹念に比較されて
まずはレザーをボルドーの K219 に決定です。
今度はそのボルドーと2つの黒柿材の時計ケースを比較して、、、
側板に複雑さが現れた個体に決定です!!

ありがとうございま〜す。
こういった黒柿材は
特殊な形状の時計ケースのオーダーも多く
常に「Sサイズ」をご用意しています。
伸ばして1本収納!!
をご検討のお客様は是非ご覧になってみてください。

そしてレギュラーサイズの黒柿材も
多種多様ご用意しています。


クレドールと黒柿
初めて購入した時計が
『クレドールのゴールドフェザー』とのお話。

この黒柿材は鏡面仕上げですので
当初予定されていたオイル仕上げとは異なり
経年変化はほぼありません。
でもこの一期一会の出会いは
クレドールのゴールドフェザーとピッタリだとお選びいただきました。
時計の品の良さが際立つ組み合わせです!!
納品までしばらくお時間をいただきますが
しっかり仕上げさせていただきま〜す。
I 様、ご注文誠にありがとうごました!!
追伸
こういった横長1本用の時計ケースですが
内装をフリースペースで仕上げることも可能ですし
ベルトを留めるためのループをつけることも可能ですのでご相談ください。
*画像はマサズパスタイム 篠原那由他 氏 モデル用の個体です。

そ
れ
か
ら
数か月…
I 様が完成した時計ケースを受け取りにご来店!
先日、私たちの工房でオーダーメイドで制作した時計ケースをI 様が受け取りにいらっしゃいました。
お時間をいただきましてありがとうございます。
丁寧に仕上げた作品が実際にお客様の手に渡る瞬間は、私たちにとっても特別な時間です。
I 様は、繊維や革製品などへの造詣が深く
以前から時計への強いこだわりをお持ちで、
「時計という無機質な物に、和の温かみを取り入れたい」とおっしゃっていたことが印象的で、
まさにその想いを形にする
お手伝する気持ちで仕上げにこだわらせていただきました!!


自然の織りなす美しさ
今回ご注文いただきました黒柿材の時計ケースは、
一般的な木製時計ケースとは一線を画す特別な逸品です。
希少な黒柿材が織りなす深みのある色合いと美しい木目は、
まるで自然が描いた芸術作品のようです。
内装には、美しさと耐久性を兼ね備えた放牧ラムレザーを使用し、
将来的な張り替えにも対応できるように仕上げました。
通常、時計ケースは経年劣化により買い替えが必要となることが多いですが、
この時計ケースは、必要に応じてメンテナンスを行うことで、代々と長くご愛用いただけます。
お客様の大切な時計を、まるで本物の芸術品のように守り、時とともにその美しさを深めていくことでしょう。
ソウルバードの時計ケースは
お客様の時計とともに時を重ねていく、特別なパートナーであることを目指しています。
I様からは、「ホームセンターで木材を見る目が変わった」とのお話もあり、
木材への関心がよりディープになったご様子。
I様は早速ご自宅に陳列スペースを準備をされたとのことです。
「ただの収納ではなく、時計をさらに輝かせるための存在」として、
ソウルバードの時計ケースがその役割を果たすことを期待しています。
記念撮影!!
恒例の記念撮影!!

サイズ感も、いい感じです。

まさに、この時計だけの特別なお部屋になりました!!
お客様の笑顔が私たちの喜びです
お客様が完成品を手に取り、
その質感やデザインに満足していただけた瞬間の笑顔は、私たちにとって何よりの励みです。
また、製作に携わった私たちも、その喜びを共有しながらさらなる創作意欲を掻き立てられます。
これからもこうした喜びを共有できるよう、一つひとつ丁寧に製作を続けていきたいと思います。
皆さまも特別な時計をお持ちでしたら、
ぜひソウルバードのオーダーメイド時計ケースをお試しください。
私たちの手仕事と自然素材が融合した唯一無二の時計ケースで、大切な時計をさらに魅力的に演出できるかもです。
I様 ご注文、誠にありがとうございました。
*このブログを書き始めた際に
お客様の時計を「アンティーク クレドール」と記載していましたが
ただしくは、「クレドールのゴールドフェザー」でした!!
https://www.hodinkee.jp/articles/credor-50th-anniversary-gold-feather-utd-limited-ed
失礼しました!!
これに伴い、このブログ内の表記は何事もなかったかのように、
しら〜っと訂正させていただきました。
追伸 その他の内装加工をご案内します
横長一本用の時計ケースは
革ベルトを通すためのループをご案内しましたが
画像を追加させていただきます。

あともう1つですが
ベルトを折りたたんで2本収納用にもアレンジが可能です。
ご検討されるお客様はご相談ください。

この加工をご依頼されたお客様からご提供いただいた画像も参考にどうぞ!!
